夏の話

2021年8月31日はサザンオールスターズの｢夏をあきらめて｣を聴いた。ご時世や職業柄、いや、そもそも性格柄かもしれないけど、今年は夏なんか楽しんでない。友達とはそもそも会ってない。友達がSNSにカラフルな飯を沢山の加工で仕上げ立てている時に、私は他人のラッピングばかり仕上げている。｢これもどこぞの誰かと飯を食いに行って渡すんだろうな｣と思いながら結ぶリボンは、指にくい込んで、切ってしまいそうだった。

今年は10月まで残暑が厳しくて、最近になってようやく寒くなってきたくらいだ。夏なんかあきらめたはずなのに、10月になるまで何にすがっていたんだろう。

ようやくこの前、約3ヶ月ぶりに遊ぶことになったのでおしゃれをした。今年は夏のおしゃれをしていなかったことと、夏に買ったネイルをまだ使っていなかったことに気付いて丁寧に指先を染めた。澄んだ青にたゆたうように光るピンクのラメが、見たことも無いいつかの海を想起させる。

夏を楽しんだ友達に、夏を楽しめなかったことを主張しながら、きらきらした爪を見せることのなんと浅ましいことか。そんなことを思うけど色に罪なんてないから。明日は何かをあきらめて、思い切りすてきな青を塗りたい。